オリジナルのフィギュアをオーダーメイドで製作いたします。
あなたの描いたイラストや写真などから立体化しています。

3Dプリンターでフルカラープラスチックを試してみました。

フルカラー3Dプリント素材をフィギュアで使うため、先ずはサンプルを出力して、いろいろ調べてみました。

2018/04 作成。

フルカラー3Dプリントのサンプル作成。

まずは、実際に試してみないと判断が出来ないので、カラーサンプルを出力してみました。

  • (上)出力したフルカラープラスチック素材のサンプル
  • (下)使用したテクスチャ画像
出力したフルカラープラスチック素材のサンプル
使用したテクスチャ画像

出力サンプルの仕様:

  • サイズ: 150mm × 100mm × 2mm(横×縦×厚み)
  • テクスチャ: JPGファイル
  • 素材:フルカラープラスチック

カラー情報:

  • カラートーン(各色の基本となる色のサンプル)
  • 黒白トーン(黒から白へのグラデーションサンプル)
  • スキントーン(いろいろなキャラの肌の色をイメージしたサンプル)

どの色の出力サンプルが良いか考えたのですが、あまり偏った色味の出力サンプルを見ても分かりづらいと思ったので、シンプルなカラーの明暗と濃淡が確認出来る色味にしました。
その他には、個人的に確認したかった白黒のグラデーションと、フィギュア製作で一番のメインになると思うスキンカラーのいろんなタイプを選びました。

次は、出力サンプルに関しての考察です。

重量は、いわゆるプラスチック樹脂という感じの重さです。フィギュアを製作するには適した重量だと思います。

発色に関しては、おおきな違和感はありませんが、全体的にほんの少しスモークがかかった印象を受けました。
パキッとした印象ではなく、薄~く全体的にぼやけている感じを受けました。(色と色との境目がぼやけているからかもしれません。)
積層方向に色と色の境目がある場合は、良いですが、積層方向と交差する方向の色の境目は若干モヤッとする感じです。

ちなみに、サンプル画像ですが、実物の出力サンプルと完全に同じ色味の画像で表現することがむつかしいですが、出来るだけ、サンプルの色味に合わせていますので、ご参考まで。

次に、各色についてご説明させていただきます。

1行1列目の赤色部分ですが、実際は、もう少し朱色とオレンジの間ぐらいです。
2行1列目の赤は、実際はカニカマの色っぽい感じです。(笑)
1行5列目と2行5列目の青色部分ですが、出力サンプルはもう少し紫味が強い、ぐんじょう色といった感じです。
カラートーンの明るい部分は筆ムラのような縞模様が出ていますが、ほんの少し気になる程度です。
暗いトーン(特にカラートーンの最下段)に行くにしたがって、筆ムラが強くなっているような感じがしました。
また、暗いカラートーンの部分は、明るいカラーの上からダーク系の薄いフィルターをかけたような印象です。

黒白トーンの部分は、少し縞模様が目立ちますが、色味的にはテクスチャに近い色が出力出来ているかと思います。

一番下の段のスキントーンの部分は、濁りも無く、縞模様もあまり見えないので、かなりキレイに印刷されていると感じました。

全体的な印象は、模型の塗装というより、ポスターカラーで色を塗った感じの雰囲気です。

気になる部分としては、積層段差というかプリント時の縞模様ですが、これは 「印刷」という事を考えると、通常の3D出力でも出る部分ですので、しょうがない部分ではあります...。
ただ、フルカラー出力の場合、表面処理が出来ないので、気になるという感じです。(出力プリンターによります。)
今後、プリンターのレベルも上がって、積層段差が小さくなっていくと思いますので、期待をしたいと思います。

フィギュアを製作する際の今後の検討部分としては、色と色が切り替わる部分はモールドなどを入れて、くっきりと分けて表現したり、パーツを分けて(凹凸を入れて)モールドがしっかりと分断されている方が良いかと思いました。 モールドのないフラットな面で色の切替をするとモヤッとした感じが出ている気がします。

今回、カラーサンプルを出力しましたが、まだ考察できてない部分がたくさんあるような気がします。
なので、もっとじっくりカラーサンプルを調べて、フィギュア製作に進めたら良いなぁと思います。


フルカラー3Dプリントのフィギュアを製作しました。

出力したサンプルの検証後、フィギュアに使用する素材として問題はないと思いましたので、オリジナルの作品を含め作ってみました。(2019/09更新
以下、フルカラー出力したフィギュアを作品ギャラリーにアップしましたので、ぜひご覧ください。

パーツ毎にテクスチャを製作し、テクスチャ上で色の交わりを少なくすることで、色の境目のモヤッと感は無くなり、彩度の高いパキッとした感じのカラーが表現できたかと思います。

モールドも気持ち深めの方がキレイに出力できるような気がしました。