今回のフィギュアの塗装のポイントは数多くある紫色のバリエーションです。
同系色のグラデーションはベースの色を固定しないと、すべての色味がずれてしまうので、少し難しいですが、塗装の楽しい部分です。
今回は、基本色をパープルに設定して、更に赤みが強い部分を純色のマゼンタで調色して再現し、ダーク系の方はブラックを調色して再現しました。
微妙な調色はありますが、大枠はそんな感じです。
画像では同じ色に見える部分も実際は、微妙に変えている部分も...。
今回いただきました製作資料の一部です。
この他にも多くのイラスト資料をいただきました。非常に製作がスムーズでした。ありがとうございます。
髪はとても爽やかな色味なので、純色をベースに作りました。
カラーレシピとしては、ホワイト・ブラック・純色グリーン・純色シアン・純色イエローです。
アバウトすぎて、何の参考にもなりませんが、淡くきれいめな色は純色で作ったほうが早いですね。
ちなみに、服の白い部分は、ほんの僅かのグレーとほんの僅かのバイオレットで再現していますが、ほぼ白にしか見えませんね。
毛先の飾りはデザイン資料では、非常に薄い紙状ですが、フィギュアにするために、厚みと接点の幅を妥協しなくてはいけなかったので、強度が保てそうなギリギリの細さにさせていただきました。
幅を広げたメリットとしては、毛先の飾りと背中の飾りの塗装を非常に美しく感じれるように出来たかと思います。
色味はマゼンタからパープル色のグラデーションになっています。
スカートの面積は大きいので、単色だとシンプルな印象になります。
上半身は細かなパーツが多く、上半身と下半身の情報量の差が出てしまうので、スカートは混色して単色にせず塗装をして奥行きを出してみました。
レシピとしては、下地にパープル系の色で塗装を行い、その上からブラック系で下地が透ける感じでグラデーションをつけながらオーバーコートします。
折り目部分の明るいパープル部分がアクセントになって美しいスカートになったかと思います。
黒粘衣の粘度は厚めでドロドロした質感ということなので、ツヤは完全に消さずほんのり、マットな感じにしてみました。
鐘をリアル系フィギュアで使用する金属カラーを使用するとイメージと違ってしまうので、鐘もイラスト資料を元に塗装しました。
資料にある鐘のシャドー部分が、ピンクゴールドっぽい色味をしていたので、まずは、通常のイエロー系をベースとして塗装し、少し赤みを入れて彩度を落としたピンクゴールドっぽい色味をオーバーコートします。
最後に、金属感を出すためにパール系のクリアを吹いて完成させました。
鐘の宝石部分はキラキラ感が出るように、筆で一つずつ描き込んでいます。完成するとほぼ見えませんが、鐘の内側の部分にも宝石があるので、一番時間をかけた部分です。
髪のミントグリーン系のカラーと、髪と背中の飾りのマゼンタからパープルのグラデーションがアクセントになって、美しいフィギュアに出来たかなと思います。
以上、幻 帰鐘さんフィギュアの感想でした。