完成したフィギュアの体のラインの流れが個人的に気に入っています。
腕・脚・体の角度で雰囲気のある大人の色気を出したかったので、苦労しましたが、美しくできたと思います。(自画自賛(^^))
今回は、こちらのナンディトリさんを製作させていただきます。
いきなりですが、パーツがほぼ揃った素立ちの状態です。(^^)
この素立ちの状態を作った後に、ポーズ付けの作業を行います。ポーズを付けた後にアームカバーやブーツの長さ、髪の動き、シワや袖口のゆとりなどを製作してきます。
小さなパーツで、かっちりとした形が欲しい場合は、CADソフトを使用して製作しています。
エモデザで使用しているCADソフトはRhinoceros(以下、Rhino)です。
今回は、以下の部分のベースをCADで製作しました。
Rhinoで1から製作する場合もありますが、大きさの確認などをするため、まずZbruhで大まかな形を作って、それをRhinoにインポートする場合もあります。
その場合は、そのパーツをテンプレートとして、カーブをきれいするなどして、厚みも0.6〜1.0mmぐらいに調整して新しいパーツを製作します。
素材によって出力限界の厚みが異なりますので、ご自身で出力をしたい方は気をつけてくださいね。
また、エモデザでは、フィギュアを完成後に発送する必要があるので、強度を考慮して厚みを少しだけ厚くすることが多いです。
帽子の羽などは有機物なので最初からZbrushで製作するのがベストですが、最低限の厚みを確保するため、まずはCADでしっかりとパーツのベースを作りました。
作ったと言ってもすごくシンプルな形ですが...。
モールドやディテールは、Zbrushにインポートしてから造形を追加して完成させます。完成した羽根が下の画像です。
ベストの金具部分はすべて金属設定ということでしたので、かっちり作るため、こちらもRhinoで製作いたしました。
実際に出力するとかなり小さなパーツですが、こういう小物の造形が後々効いてくるのでしっかりと作っていきます。
弓矢のケースの様なシンプルな形のパーツは、微妙な歪みや曲がりがすごく気になるので、Rhinoで製作します。
精密なモデルを製作する場合は、Rhinoを使えば安心です。
ハネ部分は出力したパーツを使用しますが、芯の部分は金属線を使用する予定です。
弓矢の弦に関してですが、最初はナイロン系の糸、いわゆる釣り糸で張ろうかと思っていたんですが、サイズ的にどうも結び目が大きく目立ってしまうので今回は、結び目が発生しないステンレス線を使用することにしました。
実際にいろいろ素材を集めて試してみました。やっぱり硬質の素材が個人的にはあっている感じがしました。
弓を持つ腕の角度と手首の角度がなかなか決まらず苦労しましたが、力強く握っている感じになったと思います。
ストラップは強度のみを考えると、ボディの洋服・ベスト部分と一体成型で製作するのが良いかと思うのですが、そうするとかなりチープな感じのフィギュアになってしまうので、今回は、強度を考慮して厚みが1mm程度の別パーツとして製作しました。
また、実際にストラップをかけた場合、胸との間に少し空間が空いたり、お腹の側面部分で突っ張ったりするので、それらを再現してみました。
髪束のランダム感、立体感を出すために一塊ではなく、複数パーツにしています。
髪と髪の間に空間を持たせて、髪の層がある感じを出すため、今回は三段で構成しました。
また、髪の繊細さを出すために出来るだけ先端を細く造形しました。
帽子を被らせる場合について、今回は以下の2パターンの製作方法を考えました。
今回は、リアル系のフィギュアを目指しているので、2番の方法で製作しました。トイ系のフィギュアだと被せる方が楽しいかなと思います。
腰部分に巻いている布はシワや動きの表現をつけた造形を行ってからRhinoで厚み1mmをつけてパーツを製作しました。
厚みがありすぎると、ぼてっとした印象を受けてしまうので、できるだけシャープな印象を持てるように厚みを調整しました。
出力時に厚みが足りなくなりそうな部分の修正や凹モールドの追加などを行って完成しました。
表面処理と塗装を考慮して分割したので、全部で56パーツになってしまいました。
ちょっと多すぎたかな...。(T_T)
完成したナンディトリさんフィギュアの画像を作品ギャラリーにアップしましたので、ご覧ください。